リー・コニッツがレスター・ヤングをオマージュしていることを教えてくれたのは、数日前にアルバムをレビューさせて頂いたピアニストの髙橋賢一さんでした。
髙橋さんに教わった例が "when you're smiling" 。レスター・ヤングのアドリブ・フレーズをコニッツが綺麗にトレースしている。
同じく "Lady, Be Good"も。
リー・コニッツとレスター・ヤングの関係については、ザ・バッド・プラスの初代ピアニストことイーサン・アイバーソンが、コニッツ本人にインタビューをしている。
アドリブのコピーの方法など、彼のサイトの記事(「18 with Lee.K」)に教わることは多い。
text from "Ethan Iverson’s Home Page": ethaniverson.com
時々、「2020年の春から夏までの外出自粛期間に何をしていたか?」という話になると(ほとんどならないけれど)、上のテキストのイーサン・アイバーソンとリー・コニッツの対話部分をDeepLで翻訳しながら、楽譜部分は拡大コピーを取って参考音源を聴いていた、と答えることにしている。
もちろん、実際は柿の種とノンアルコールビールを片手にYouTubeで乃木坂46を見ていたのだが、そういう些細なことは内緒にしておいても差し支えないだろう。
音源を聞く限り、確かにレスター・ヤングはリー・コニッツに影響を与えている。
しかし、そのプレイスタイルは両者とも一代限りで終わってしまい、チャーリー・パーカーやジョン・コルトレーンのフォロワーと比べると後継者の数は限られる。「2020年代」の「若手」という括りをいれると尚更である。
とはいえ、音楽の歴史を丁寧に紐解く若者がこの先にもいるならば、きっと誰かが彼らのスタイルを再発見するだろう。その小さな希望はこの先も持ち続けておきたい。